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T.Nishijima

Author:T.Nishijima
2010年2月に妻が脳幹出血で倒れる。2013年3月に白雪姫プロジェクトと出会い、積極的なリハビリアプローチを始めるため、その回復への道のりを記録しようと日記をはじめました。また、このプロジェクトの存在を知ってもらいたいと思っています。
http://www.shirayukihime-project.net/

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山桃とおかあさん


妻のいる病院で、毎日あうおかあさんがいます。とても上品で、物腰がやわらかく優しい方で、ご主人が入院されているので、ほとんど毎日、顔をあわせます。ご主人は元警察官で、剣道が強かったそうです。強靭な身体と精神の持ち主だったそうですが、2回目の脳出血で遷延性意識障害という状況のようです。

白雪姫プロジェクトの、おはなしノートを差し上げたのをきっかけに、最近は会話する機会が増えました。つい先日、いつもの病院前の小さな公園で妻とゆったりしていたときに、ちょうどおかあさんがやってきて、この山桃の話になりました。小さい頃、疎開先でよくこの山桃をつんではおやつ代わりに食べたということで、とても懐かしいと話をしていました。へぇ、食べられるのか・・・と思いながら、おかあさんが立ち去ったのを見計らい、こっそり実をかじってみたら、少しすっぱくて爽やかな甘みがあって、なかなか美味しかった。今年はたくさんの実をつけて、木の下にはたくさんの実が落ちていた。これだけの実つくのだから、当然、印象が残るはずなのに去年の山桃の実の記憶がない。なぜだろうと、毎日眺めているうちにいつのまにやら実が全部落ちてしまい、これが最後のひとつとなった。

リハビリ担当者が、他の患者さんを車椅子にのせて散歩に出ていたのですが、この山桃の木の反対側を通り過ぎる時に「山桃は毎年でなくて、2年ごとに実をつけるそうですよ」と話をしているのが聞こえてきた。そーか。それでは印象が残るはずがない。去年は実がつかなかったのだ。でも待てよ。それでは、一昨年は実がついていたのではないか?震災のあった年である。あの頃は会社と病院の毎日だったので、きっと僕の心に余裕がなかったのだろう。今のように、周りの景色を見ながら歩くということがなかった。あの頃は、毎日がいっぱいいっぱい、という日々だった。

今日は、ジメジメした空気の強い風に吹かれながら、目をとじていた。いつものツマラナイ攻撃であるが、この瞬間もとても大切なひと時である。木の下に落ちている山桃の実をひとつ拾い上げ、妻の鼻もとに近づけてみる。うっすらと目を開いた。へぇ、こんな微妙な匂いも感じるのかな。それはそうだな。ベッドサイドからの景色(8)の<整体とメッセージ>に書いてあるように、コーヒーの香りで首を動かしたほどの人である。香りも当然、しっかりとわかっている。

今日はピーチティーとかいうやつを自販機で買ってきたのだけど、あまり好きじゃなかったようだ。なんか、あまり嬉しそうじゃなかった。その上、最後の一口は、首を横に動かして拒否した。首を動かすのはパワーはとても必要だけど、イヤなことには、自然と反応するのだ。これが不思議だ。考えて、その考えにあわせて、指令をだして、首を動かすのはとても大変で、調子がいい日に、1日1回という回数限定でやってくれる技であるが、生理的にイヤなときには、何度でもできる。これは、考えて行動するというのとは、また少し違う回路で信号が送られるようだ。
こんな風に、手も足も、口も、首も、動けばいいのにと思いながら、今日も筆談10分間。今日も○と×の練習だ。相変わらずわからないけど、とにかく毎日やっていきます。僕が出来るようになったら、おかあさんに教えてあげることにしよう。

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未分類 | 22:03:35 | トラックバック(0) | コメント(0)

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