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T.Nishijima

Author:T.Nishijima
2010年2月に妻が脳幹出血で倒れる。2013年3月に白雪姫プロジェクトと出会い、積極的なリハビリアプローチを始めるため、その回復への道のりを記録しようと日記をはじめました。また、このプロジェクトの存在を知ってもらいたいと思っています。
http://www.shirayukihime-project.net/

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ボタンの掛け違え

久しぶりに熱を出して、なかなか風邪が治らなかった。その上、熱が出た日に次男とあったら、昨日から発熱したという。まいったなぁ。そんな訳で、熱はひいても、ちょっと妻のところへ行くのを遠慮していたので、今日はなんと6日ぶりの対面である。こんなに会わなかったのは、昨年僕が体調を崩して入院した時以来だ。

顔をあわすなり目で合図をしながら首をクンと動かして「どうしてたの?何かあったの?」って無言で言って来た。「あー、ごめんごめん。風邪ひいてね」・・・というスタート。「今日は、新しいお店でアイスコーヒーを買って来たよ。フランセのアイスコーヒーだ。これ酸味が強くて好きなタイプだと思うよ。」コーヒーをひさしぶりに堪能し、端座位を30分しっかりやった。アキラのバカ話をまた聴きながら、最後にユーミン「海を見ていた午後」でしめた。これはかなりいい展開だった。明るいバカ話の最後に、こういう曲に切り替わると、なんとも切ない効果が生まれる。世界観はちがうが、種類としては寅さんの世界の切なさに近い。

この曲、改めていいなと思う。エレピの夢のようなトレモロサウンドの中から、マイクそばで小さめな声でささやくように歌うユーミン、その声にとてもナチュラルな鉄板エコーがドカンとかけられていて、船の軌跡を表すようにミニムーグ出しゃばらない自然さでフレーズを描く。アキラのバカ話とロマンティシズムだ。いいコントラストだった。

そのあとは車椅子にのってデイルームに行き、筆談の特訓である。まぁ、そう焦らないでと言いたい。これについては、書くことはあまりない(笑)筆談より言いたいことは、このデイルームに流れている音楽についてである。子供合唱団が歌う童謡・唱歌のオンパレードである。「紅葉」「小さな秋」「森のくまさん」etc. 選曲が悪いとは思わない。子供の頃に聴いた曲は、心に響く。いいと思う。しかし原盤の選び方がよくないと思うのです。これは幼稚園児むけのCDだ。もしも僕が患者だったら正直に言えば、とてもいやだなと思う。言葉がしゃべれない、身体がうごかない。機能障害であるが、知能・知性が幼稚園児になったわけではない。子供がえりして、たのしいと思える懐の深い患者さんもいるだろうけど、ほとんどは違和感を感じているのではないだろうか?もしくは、もう慣れてしまったのかもしれない。でも、その「慣れ」は、ある意味での「あきらめ」であろう。

こういうところに誰も疑問を感じないのかな?年齢層的には、昭和の歌とか、演歌とかでもいいのではないかな?と思うけど、こういう子供の頃の郷愁を引き出す狙いで選ぶなら、安田祥子&由紀さおりの音源を選ぶとかすればいいのになと思う。

デイルームに入った瞬間に、妻はなんか寂しそうな顔をしたように感じた。「わかってるって。まぁ、これは好意であるから、それは大人としてね。ねっ!」「・・・」なんとも言えない目で僕を見返していた。そんな声をかけてから、デイルームの入り口で、廊下側に向いて、筆談の練習をすることにした。この階のデイルームが一番温度が涼しいのだ。

しばらくしてから、どうも「森のくまさん」を気にしながら筆談はどうもなぁとおもいはじめて、別の階に移る事にした。「これはとてもデリケートだから、難しいよね」・・・とつぶやきながら、別の階のデイルームに移ったら、ちがう合唱団だと思う声の子供たちの童謡シリーズがかかっていた。「春の小川」だった。・・・「いい曲だろ?」と妻に声をかけて、デイルームの前を通り越してベッドにもどって、テレビを見る事にした。

このあり方は、ある意味ぼくらサイドが麻痺しているという事なんだけど、それを伝えるには勇気がいる。ジル・ボルト・テーラーさんが言っていたように、ちがうんだろうと思う。「聞こえているけど、返事が出来ないだけなの。そんな耳元で大きな声だされると頭がどうにかなっちゃうよ!」・・・とジルさんは言っていた。聞き逃す可能性は大きいし、頭がついて来れないこともある。声が聞こえても、認識がついてこれないことはあるだろう。当時のジルさんの願いは「根気づよく、何度も何度も忍耐強く繰り返し言ってほしい」と言っていました。声の大きさではないのです。

このCD原盤の選択は、コストの問題とか、寄付されたものかもしれないけど、同じ問題が内包されているように感じたのでした。勘違いしていると思うのです。

妻はテレビを見ている、、、僕の頭の中は、この僕たち側の麻痺感覚について、僕と僕が話しあっている。「本当は病院へ話しをしなくてはいけないのではないか?」「でも難しい。」「勇気がいる」・・・「何故勇気がいるのだろう?」と思うと「嫌われたくないからだ」と答える。「そんなんじゃ、ダメじゃん。」「やっぱり言わなくてはいけない。」「いやいや、違う音源を購入してプレゼントすればいいんじゃない?」「全フロアーにかい?」「そ~やねぇ」「何故に関西風?」・・・などと頭の中は忙しい。

妻はワイドショーに夢中だ。女の子はいつまでも王室の話が大好きなんだな。

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未分類 | 17:28:01 | トラックバック(0) | コメント(2)

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