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T.Nishijima

Author:T.Nishijima
2010年2月に妻が脳幹出血で倒れる。2013年3月に白雪姫プロジェクトと出会い、積極的なリハビリアプローチを始めるため、その回復への道のりを記録しようと日記をはじめました。また、このプロジェクトの存在を知ってもらいたいと思っています。
http://www.shirayukihime-project.net/

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にぎやかな病室 その2
今日の端座位30分。段取りを間違えて、iPodをカバンから出し忘れたまま座らせてしまった。あらら、音楽も聞けないし、少し熱もある。目からはつまらない光線が出ている。そこで良い事を思いついた。星野富弘の詩をiPhoneで絵を見せながら読み上げてた。これはヒットだった。目が輝いた!「そうこれこれ!レンギョウはこれよ!」と。では今日は、前回のつづきです。8月8日の記録・・・柴田先生は入ってくるなりもう妻と話し始めていました。あらら、もう始まったの?妻も話したい事がたくさんあって、堰を切ったように話し始めました。

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詞はできていますよ。楽しみにしておいてください。しかし、歌詞かどうかはよく見てもらわないとわからないけど、歌になるかどうかはわからないけど、うちの夫はそのへんはは詳しいので、すぐに歌になるかどうかはわかると思います。先生は、歌まで作るのですか?先生は今日もどこかに行ってきましたか?(ハイ)その声は、またどこかで誰かと会ってきたような声に聞こえるので、誰かと会って来たのですね。誰と会って来ましたか?(4~5才の子供とと会ってきました)そうですか、そんな小さな子でもお話をするのですか?(もうしますよ、だいたい)そんなに早くからこんなに話せると嬉しいでしょうが、そのお子さんは障害があるのですか?(障害があってしゃべれてなくて)そうでしょうね、そうでなければ先生とあうはずがないですが。ところで、先生のこんなやり方でその子も話しをしたのですか?(このやり方で話しをしました)そうですか。まるで、余裕ですが、うちの夫は相変わらず困っているので、あまり見せるとまた落ち込んでしまいそうです(一同笑)みなさんほんとうにすごい技をお持ちなので驚くばかりですが、なかなか夫婦では難しいですね。私もあまり身体が軽くは動かないので、夫とだとうまくいかないけど、優さんや先生だと、軽やかに身体も気持ちも動くので簡単になるのかもしれませんが、みなさんのような楽天的な雰囲気はとても気持ちが楽になりますが、今日もやっぱり笑いながら入ってきましたね。私の病室に笑いながら入ってくるのは、みなさんぐらいのものです。(一同笑)本当に不思議な人たちですね。

でも、最近はうちの家族もだいぶ明るくなったというか、私が普通にわかっているということがわかったので、安心して話せるようになったことで、とても楽になったみたいです。最初は本当にわかっているのかどうか心配で、みんな恐る恐る話しかけてみて、私の反応がないと、やっぱり無理かというような淋しそうな顔をするのですが、私はその顔を見るのがとてもとても面白くて、また心配しているというのを見ては、いつか私が全部わかっていたと言ってあげようと楽しみにしていたので、今はもうその楽しみはなくなってしまいましたが、みんな当たり前に話しかけてくれるようになって、あの頃はいったい何だったのか?という感じになりました。

みなさんのような人がはやく世の中に溢れるようになれば、この病院中の人がみんな明るく話せるようになるのですが、なかなか難しいです。でも、私たちのような存在も、きちんとした思いや言葉があるということについて、まだまだよくわかっていないということも、わかってきたのは、私の言葉についても賛否両論のようで、なかなか受け入れがたい人がいるようなのですが、だいぶみなさんわかってくれるようにはなってくれましたが、私の顔を見て、反応があると思う人と、思わない人がいるのが、可笑しくてしかたありません。

専門家と言っても、そういう専門家ではないので、私の顔から表情を読み取れる人と読み取れない人がはっきり分かれるのが、可笑しいくらいですが、やはりセンスのいい人は、やっぱりあれは笑顔だったとか、嬉しい顔だとか納得していくのですが、読みとれない人は「やっぱり気のせいか」とか言って、つぶやいて行ってしまうので、可笑しいですね。でも、またそういう風にして少しづつ理解者が増えていくのが嬉しいですが、まだまだだなと思うのは、やはり私だけが特別ということになっていて、病院中の人がそうかもしれないとは、誰も思わないようですね。本当はみなさん、きっとそうだろうと私は、この身体になって思えるようになったのは、私も相当重篤な状態だと思っているので、もっと軽い人もたくさんいるようなので、本当はもっともっとみなさん気持ちが言えるはずなのに、本当に残酷と言えば残酷なことですが、少しづつしか世の中は変わらないということも、わかりきっていることなので、少しづつ地道にいくしかないでしょうね。そうやって、少しづつでも広がって行く事が大切なので、ぜひ、ゆっくりとでいいから、じっくりと取り組んでいただければと思います。みなさんは、相当に気が長いようなので、私も安心していますが、相当気が長くないとこんなことはやっていられないと思いますが、みなさんのような人たちがこんなにたくさんいることは、元気の時にはわからなかったことなので、本当に驚いています。

ところで、今日の私の顔は、少し笑顔が出にくい感じがするのは、今日は少し疲れているからですが、何故疲れたかというと、やはり夏の暑さがどうしても身体にしみるからですが、元気な時は冷房があると身体は冷えるぐらいにしか思っていなかったけれど、やはり冷房は冷房、夏は夏という感じがするのですが、それは不思議な感じがしますが、みなさんはその事についてはあまり感じないでしょうね。先生はどう思いますか?

柴田先生:ぼくもね、よく・・・前から不思議だなと思っていたのは、、、気温だけ言って、、、冷房の設置で考えれば、夏もこれだけ冷房が効いていればもう夏ではないと思ったんだけど、この間あの、ある人が、、ある自閉症の人が、やっぱり夏は暑いんだとか言っていて、あぁ、そんなものなのかって思って、、自分はわかんない、鈍感なので、、、、、

そうですか、私は今の人の気持ちがよくわかるのは、冷房の温度と身体で感じるのはまた別で、冷房の温度がいくら低くても冬とは違っていて、夏はやっぱり夏の暑さがあるので不思議ですね。先生は、あまりそういうのは敏感ではないのですか?

柴田先生:あまり敏感じゃない(笑)

私もそういうのはどうでもよかった方なのですが、こうやって入院してみると、冷房の気温が低いのに、何故夏を感じるのか不思議でしかたないのですが、それは本当に身体で感じるので仕方なくて、やはり夏は夏の暑さがあるので返って嬉しいですが、その分、きっと身体は疲れていると思いますが、でも気持ちは全然疲れていないので大丈夫ですが、この間のように笑顔が出ないと思います。今日も優さんは私の顔を見ていっぱい表情が見えるそうですが、先生はまだあまり表情に新たな変化を見ていないのがわかりますが、そう言う事まで昔は感じもしなかったけれど、そういう相手の気持ちの動きにもとても敏感になってしまって、本当はもっと鈍感のほうがいいのですが、いろんな人の気持ちが細やかにわかってしまって、困ることが増えてきました。色々な心の醜さまで見えるのが、あまり気持ちよくなくて、やはりあの昔のあの、自分のことだけ考えていた時のほうが楽だったと思います。みなさんは、気持ちを聞き取るようになって、人間の醜さのようなものは見えてこないのでしょうか?

お優さん:見えない・・・
柴田先生:あまり僕には言ってこない
お優さん:私も見えない・・・素敵、清美さん。泣いてる?

そうです、泣いています。さすが優さんですね。先生は気づいていませんでしたね。

柴田先生:はい

醜さに気づかないのでしょうか?それとも先生たちのような人には人はあまり醜さを出さないのでしょうか?そのへんが面白いところですが。私もあえて優さんや先生たちに醜さを出そうとは思わないから、やはりそのへんはうまく出来ているものですね。みなさんには人間の醜さが見えないようにうまくできているので、そのほうがいいですよね。先生など「人の醜さは見た事がない」などと平気で言いそうな感じの人なので、醜いのは見たくないのだから、みんなそれを察知して出さないのかもしれませんね。そのくらい、みんな相手に敏感になってしまうのが、いいのだか悪いのだか本当にわからなくなります。

私は恥ずかしくてあまり言いたくないけれど、やはり夫の心がこんなにきれいだったというのは、こんな病気にならないと気がつかなかったことで、やはり面白いものですね。夫は仕事の鬼のようなところがあったので、ゆっくりと自分の気持ちを家で広げるようなことはなくて、ほとんど家は仕事の合間に顔を見せるという感じだったので、だいたいイライラしているのは仕事のイライラだし、嬉しいのは仕事の喜びだし、仕事が絡むことがいつも感情を満たしていたけど、今は私のことしか考えていないようなので、こういう事がなければ夫の心がこんなに見えることはなかったのですが、本当に最近は心がよく見えるようになりました。夫を前にするとやはり照れくさいけれど、さすがにこういう機会しか言えないので、やっぱり言っておこうと思いました。夫のような人は他にもいるのかもしれないけれど、やはり本当に「世界一の夫婦になったわね」といつも思います。

体当たりの赤ちゃん:「あっ!」

世界一の夫婦・・・というところで、赤ちゃんが声を出すのは偶然なのでしょうか先生?

柴田先生:それがね〜(笑)・・・(赤ちゃん笑い声)・・・ほら笑ってるし

お優さん:うーん。やっぱりね。赤ちゃんでも理解していますよね。

そうですよね。私はこの状態になって人間の言葉はいったいいつ頃からはじまるのかと考えるようになって、発言が出来る前の状態に私はいるので、赤ちゃんも本当は発言をしたいのだけど出来ない時期が長いのではないかと思って、今の声を聞くと、やっぱり何か大事なところは伝わっているなと思いました。世界一という言葉の意味がそのまま分からなくても世界一という言葉(赤ちゃん:ふーんふーん)が大事だという意味がわかったのでしょうね。「世界一」でとても反応したので、「世界一」がきっとそのお子さんにとっては、自分の周りの一番かもしれないけど、その「世界」という意味ならよくわかるのかもしれませんね。そういう事も、暇だから色々考えるようになって(赤ちゃん:ふーん)人間はやっぱりまだまだわからないことが多いのではないかと思います。

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・・・と、ここで処置の時間になりました・・・・なんか、すごい話しをする女になりました。今の妻は考えることが生きることですから、暇な時間=起きている時間は、考える時間となっているのでしょう。妻はもっとバカちんなタイプで、お人好しなところが取り柄でしたが、ずいぶん色々なことを考える人になったようです。健康なときより頭は確実に良くなっています。僕を煽てるところなんざ、ずいぶんと頭が良くなった証拠です(笑)男はほめてもらうとすぐ「もっと頑張ろう!」と思うのです。これは本当のことですから、うまく使うといいです。人間の能力、その底力は計り知れないものがあります。不思議です。  

                        つづく 

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