■プロフィール

T.Nishijima

Author:T.Nishijima
2010年2月に妻が脳幹出血で倒れる。2013年3月に白雪姫プロジェクトと出会い、積極的なリハビリアプローチを始めるため、その回復への道のりを記録しようと日記をはじめました。また、このプロジェクトの存在を知ってもらいたいと思っています。
http://www.shirayukihime-project.net/

■最新記事
■最新コメント
■最新トラックバック
■月別アーカイブ
■カテゴリ
■検索フォーム

■RSSリンクの表示
■リンク
■ブロとも申請フォーム
■QRコード

QR

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


スポンサー広告 | --:--:--
ベッドサイドからの景色(7)
<転院、そして新たなスタート>
2010年5月24日(月)に奥沢病院へ転院した。救急車と同じ仕様の車をチャーターして、痰の吸引もできる方がついてもらい、転院するのだが、この車を頼むだけで5万かかったのにはびっくりした。これから転院は増える予定だから、これも予算にいれておかなくてはならないと思いました。

転院してすぐにわかりましたが、奥沢病院は人気のある病院です。そして変な言い方ですが“活気”のある病院でした。こんな病院は初めてです。病気の人が多くいるのが病院なので、よく聞く話ですが、誰もが病院はいるだけでとても疲れると言いますね。それは病の人の「気」が蔓延しているわけだから当たり前なのです。だから「病気」なのでしょうね。

しかし奥沢病院は、スタッフ全員の「やる気」があふれていて、エネルギーが溢れているのです!病院というのは「気」を吸い取られてしまうような場合が多いのですが、ここはエネルギーが補充できるかもしれない(笑) そのくらい「やる気」が溢れているのです。つくづく、僕たちは恵まれていると思いました。2月13日に地獄にダイブし、生き残ったものの“転院問題”で挫折しそうになりながらも、ついに次なるステップへと進むことが出来たと実感しました。死ぬまで現状維持としてではなく、辛く険しく長い道のりだとしても、希望の光に向かって、ここからが僕たちは人生を再スタート出来るのです。その場所がここ、奥沢病院なのでした。さぁ、これから普通に奇跡を起こしに行こう!松村先生をはじめ、奥沢病院のやる気まんまんのスタッフのみなさんが、僕たちのかけがえのない応援団になってくれる。そして、新しい生活がはじまりました。

時は流れ、変化しつづけるのが僕たちの人生です。これは「無常」です。「常なるものは無い」のです。選択しなくてはならない事柄は、どんどん目前にやってきます。未来は予測できないけど、あの時、自分の心の底から聞こえる声を信じて行動を起こしたことが、ここに繋がった。松村先生との「ご縁」に感謝しました。同時に、あの時に諦めていたら、前の病院から薦められた療養病院へ自動的に行っていたので、この時の別れ道は、とても大きな別れ道だったのだと震えました。この経験は、今後も絶対にあきらめないことが大切なのだと教えてくれました。

5月25日早朝、松村先生へお礼のメールをしました。早速返信をいただき、そこには僕たちにとって、飛び上がりたいくらいに希望の光をみるような、うれしい文章がありました。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
2010年5月26日am7:05
西嶋様
おはようございます。メールをありがとうございます。昨日は外来中でゆっくりとお話する時間も作れず失礼しました。清美様を昨日診察させて頂きました。医学的に証明することは難しいですが、脳幹部出血で身体は動かないが、意識はしっかりとあると思います。リハビリの道は長く険しいですが、一歩一歩進んでいきましょう。本日(火曜日)神経内科の専門医にも今後の治療方針について相談してみます。金曜日午後-夕方か、土曜日午前にお話しする時間は在りますでしょうか?

当院は院長はたいしたことないのですが(笑)、有り難い事にスタッフは素晴らしい人が集まっています。しかし、至らないことも多々あるかと思います。どうぞその節には何なりとお伝えください。患者さんを中心に、我々病院スタッフとご家族が十分にコミュニケーションをとることが大切だと思います。どうぞよろしく。 松村 拝
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

このメールを見て涙がこぼれた。「意識はしっかりとあると思います。」・・・このことを、お医者さんから認めてもらえることは、僕たちにとって、本当に救いであり、希望の光でした。このメールを見た時に、僕は叫びたいくらいの気持ちでした。もう忘れちゃったけど、実際メールを見て「うぉー!」って叫んでいたのかもしれません(笑)そう思ってくれている方が妻の担当医であるという事実が家族全員の心を支えてくれました。僕はすぐに妻のかかわりのある人たちすべてに連絡をしました。「意識があると思う」ことは、すべてにおいて意味を持ちます。リハビリの意味が明確に進むべき方向を示し、まったく変ってくるのです。<意識がないから、リハビリの必要がない> → <回復へ向けて努力していきましょう>へ変化した瞬間です。

最初の病院では、意識がないことを前提としていました。それはきっと、医学的証明ができないことは、言わない。それは予リスクコントロールの過剰反応ではないかと思います。現代は色々な面で自主規制が過剰だと感じますが、病院の先生がネガティブだと患者はもっと敏感に大きな不安を感るものです。もちろん、口先だけでいい事を言うわけにはいかない、責任ある立場としての辛さもあると思いますが、病気の半分は精神(気持ち)も関係すると思うのです。その気持ちを突き落としてしまっては、免疫力を衰えさせる原因にもなるように思います。

2005年の春だったと思うのですが、妻の癌手術を終えて5年経ったときに、一緒に聖マリアンナ病院へ行きました。これで、完治と言ってもらって、妻の不安を払拭したかったのです。妻は自分では恐くて質問できないと言っていたので、そこで僕が「先生、手術から5年が経ちました。これで今回の癌は完治ということですよね?」と確認した。先生は「いやぁ、西嶋さん、乳癌はねー、10年経たないとそう言えないんですよー。」とあっさり言われました。僕は内心「医学的な決まりなのかな?しかし、年数はどうやって決めるんだろうな。そーかもしれないけど、5年と言っておけばいいじゃないか。万が一再発症したら、それは新しい癌だと捉え、新たな闘いが始まるというだけだ。まずは“完治した”という喜びが、免疫を高めるのではないか? リスクコントロールばかりで、これじゃ勇気づけることができないじゃないか! お医者さんが背中をポンとたたいて「大丈夫!」と言ってあげることが、どれだけ患者の気持ちを救うことになるか知らないのか? それで治っちゃう人だっているかもしれないのに・・・・」 と思いました。もちろん、これは患者の家族側の勝手な思いでありますが、そう思いました。

そんな経験も過去にありましたので「西嶋さんの奥さんはしっかり意識があると思います。」と言ってくれることの意味を、松村先生はしっかり知っている方だと思いました。こんなに家族に勇気を与えてくれることはない。そうして僕らはもっともっと、前よりさらにそのつもりで妻に向き合えるのだ。

その後、松村先生に紹介していただき、先生の患者さんである、10年前に脳幹出血で倒れた方と会い、お話を聞かせてもらったことがあります。そのご夫婦はちょうど僕たちと同じ年齢のときに奥さんが倒れ、ご主人が献身的に介護しつづけてい、10年が経ったという夫婦でした。すぐに在宅で生活をするという選択をし、大変な毎日を生抜いてきました。ご主人は明るく、お話をしている間中、笑顔をたやしませんでした。この奥様もそうだったようですが、一番つらいのは、脳では判断出来ているのに、表現がで出来ないため、周りから“意識がない”と思われていた時期があり、その時期がいちばん辛かったということでした。

このことは、色々と転院先を探しまわっていたときに、お会いしたあるお医者さんからも聞いたことがありました。その先生のお母様が同じ脳幹出血で倒れた時の話をしてくれました。倒れてから12年間生きたそうですが、意志の伝達が出来るところまで持ち直したそうですが、全く同様に、理解してもらえなかった時期がいちばん苦しかったと話していたそうです。意識をあると理解してもらえるかどうか?それは、まわりから自分が<人間>として認めてもらっているかどうか?の差なのでしょう。

僕たちは幸せです。上記のおふたりは、2年以上意識不明だと思われていた時期があるのです。しかし、妻は3ヶ月半で、きっと意識はあると理解してアプローチしてくれる先生と病院にめぐりあえたのです!これがどれだけ、幸せなことか、言葉では表せません。きっと妻も同じ気持ちだろうと思いました。そして、この活気あるれる病室は、看護師さんたちも声を掛け合いながら、なんというか、にぎやかな病室なんです(笑)きっと、静かなところより、この活気のある、言葉が飛び交う病室のムードは、妻の意識に刺激を与えつづけてくれる環境になることだろうと思いました。もちろん、看護師さんたちも、当たり前のこととして、妻は意識ある患者だとしてアプローチしてくれます。声をかけてくれて、説明をしてからアプローチをする。きっと妻は、意識があると理解されていることが、とても嬉しかったことだろうと思います。一つ間違うと“物を扱う”ようなやり方になりかねない。よく、反応できない患者を前に、かなりヤバイ話をしている場面に遭遇することがある。あぁ、これ聞こえているのだから、ちょっと表現がなぁ・・・などと、思う時があります。この違いは、妻にとってはとてもとても大きな違いだと思います。感謝!
スポンサーサイト


未分類 | 09:01:53 | トラックバック(0) | コメント(1)
コメント
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2013-04-05 金 01:28:19 | | [編集]
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。